タグ:青空文庫

  • 小山 清:風貌 ――太宰治のこと

    2019-06-19公開  入力:kompass, 校正:酒井裕二  (16k/34k)  “――私はたいていうなだれて、自分の足もとばかり見て歩いていた。けれども自分の耳にひそひそと宿命とでもいうべきものを囁かれる事が実にしばしばあったのである。私はそれを信じた。私の発見というのは、そのように、理由も形も何も無い、ひどく主観的なものなのである。誰がどうしたとか、どなたが何とおっしゃったとか、私はそれには、ほとんど何もこだわるところが無かったのである。それは当然の事で、私などには、それにこだ…”…
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  • 佐藤 垢石:夜の黒鯛

    2019-06-18公開  入力:門田裕志, 校正:きゅうり  (2k/5k)  “品川沖道了杭夜の黒鯛釣は、夏の暑熱を凌ぐにこれほど興味豊かな遊びはない。焼けつく都塵を避けて品川、金杉、築地、月島、神田川などの舟宿へ行けば午後三時頃からもう舟は出漁の準備をしている。南の海風は波頭を舟の舳に打たせて涼気肌に迫る。お台場から東南の道了杭につけると、先頭着の舟は見通せない程並んで、互に好適の釣場を選んでいる。 先に河岸を突いた舟は竿を弓のように曲げて黒鯛と引張りこをしているのを見る。四…”…
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  • ホワイト フレッド・M:黄金薔薇

    2019-06-17公開  入力:奥増夫, 翻訳:奥 増夫  (4955k/279k)  “第一章 育種家 ジョン・レスブリッジの眼の前には、様々な色が点々と踊っていた。中はとても暑かったので汗が額に噴き出し、黒髪も濡れてべったり。鉢から顔を上げ、やっと腰を伸ばした。長いこと作業して、我慢できなかった。 温度計を見れば、ほぼ摂氏四〇度を差している。外も同じぐらい暑い。というのも雷雨が南から来て、むしむしする暗夜だったからだ。 小温室の明かり数灯を高段に移したが、温度は変わらない。換気口の新…”…
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  • 金森 徳次郎:涙をもつて正義をささえる

    2019-06-16公開  入力:フクポー, 校正:The Creative CAT  (18k/41k)  “私は検察のことは全然存じません。いろんなことを学問その他の面からやりました。然し、幸か不幸か検察に関することは何等の経験も知識もございません。それでは何のために出たかというとその理屈は別といたしまして、心の中は非常にやましいのでございます。知らずして言う、これは非常に悪いことです。私は正義をささえるには涙をもつてせよということでございますが、社会正義は冷たい考えだけで支えられるものではない…
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  • 折口 信夫:地唄

    2019-06-15公開  入力:門田裕志, 校正:フクポー  (6k/12k)  “地唄とは、ろおかるの唄と言ふこと。上方の人々が、江戸の唄に対して、土地の唄と言ふ意味でさう名付けた。江戸から言へば、上方唄と言ふことになる。 上方では、長唄・清元・常磐津など、それにもつと古く這入つた唄や、江戸浄瑠璃の類を括めて、江戸唄と言つてゐた。其等は、法師が弾いてうたふと、差別なく、皆一つものになつて了つた。明治以後、東京から次第に其道の人々が、上方へ来る様になつて、其人々が遊廓を中心に弟子を…”…
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  • 折口 信夫:鷹狩りと操り芝居と

    2019-06-15公開  入力:門田裕志, 校正:フクポー  (5k/11k)  “今度計画せられた此書物は、類変りの随筆集といふだけに、識り合ひの方がたが、どんな計画で、思ひもかけぬ事を書かうとして居られるかといふ事が、かうして居る今でもまざ/\と胸に泛んで来る。多分皆さんが、専門違ひの変つた通の話を、試みられるらしく思はれる。これが、本屋の番頭さんが見えての話である。だからといふ訣ではないが、私も少々変つた話を申し上げたい。鷹に関係した書物、並びに鷹百首といつた類の書き物は、我…”…
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  • 野村 胡堂:銭形平次捕物控 102 金蔵の行方

    2019-06-14公開  入力:特定非営利活動法人はるかぜ, 校正:noriko saito  (17k/47k)  “一 「へッ、へッ、可笑しなことがありますよ、親分」 「何が可笑しいんだ。いきなり人の面を見て、馬鹿笑いなんかしやがって、顔へ墨でもついていると言うのかい」 銭形平次は、ツルリと顔を撫でました。三十を越したばかり、まだなかなか良い男振りです。 「気が短いなア、そんな人の悪い話じゃありませんよ、へッ、へッ」 ガラッ八の八五郎は、まだ思い出し笑いが止まりません。馬のような大きな歯を剥き…
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  • 中山 太郎:安達ヶ原の鬼婆々異考

    2019-06-13公開  入力:しだひろし, 校正:フクポー  (3k/5k)  “「東北文化研究」創刊號の餘白録に、喜田先生の「安達ヶ原の鬼婆々」を讀んで、先生の御高見もさる事ながら、これに就いては小生も先年から多少考へてゐるところがあるので、こゝに異考として先生の驥尾に附し、敢て御笑ひ草までに書きつけるとした。そしてこゝには結論だけを申上げる。  我國には古く妊婦が胎兒を分娩せずして産の上で死亡すると、妊婦の腹を割いて(産婦の死後は産道の活力が失せるので、こゝから胎兒を引き出す…”…
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  • 中原 中也:初夏

    2019-06-12公開  入力:村松洋一, 校正:きゅうり  (1k/3k)  “扇子と香水―― 君、新聞紙を絹風呂敷には包みましたか 夕の月が風に泳ぎます アメリカの国旗とソーダ水とが 恋し始める頃ですね  底本:「新編中原中也全集 第二巻 詩※」角川書店 2001(平成13)年4月30日初版発行 ※底本のテキストは、著者自筆稿によります。 入力:村松洋一 校正:きゅうり 2019年5月28日作成 青空文庫作成ファイル: このファイルは、インターネットの図書館、青空文庫(htt…”…
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  • 中原 中也:(過程に興味が存するばかりです)

    2019-06-12公開  入力:村松洋一, 校正:きゅうり  (2k/3k)  “過程に興味が存するばかりです それで不可ないと言ひますか 生活の中の恋が 原稿紙の中の芸術です 有限の中の無限は 最も有限なそれでした 君の頭髪を一本一本数へて それから人にお告げなさい テーマが先に立つといふ逆論は アルファベットの芸術です 集積よりも流動が 魂は集積ではありません  底本:「新編中原中也全集 第二巻 詩※」角川書店 2001(平成13)年4月30日初版発行 ※底本のテキストは、著…”…
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