カテゴリー:青空文庫

  • 中原 中也:私の事

    2018-10-22公開  入力:村松洋一, 校正:noriko saito  (3k/7k)  “どうしてこんなに暗くなるのだらう……どうもこれはかう理由もなく暗くなるのでは、理由を神秘に索めるよりほかはない。愉快に友達と話してゐても、或る時或る時刻から、急に何の理由もなく暗くなるといふ風だ。 毎晩アパート三階の便所に行くと、新宿の百貨店や何かの電燈広告が五六町ばかりの向ふに灯つてゐて、まるでほんとかと云ひたくなる。いつたいあれが僕の気持とどれだけの関係があるんだ。 「あれが実業といふもんさ。」….
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  • 中原 中也:夢 (これは、叙景・叙述のない一挿話である)

    2018-10-22公開  入力:村松洋一, 校正:shiro  (7k/22k)  “人物 男 女 男の友人  貧弱な洋室。柱はすべて、黒く太し。左側壁に一つの大きい窓。窓際に机、机の傍に煖炉。右側壁手前に入口。正面壁右隅に隣室に通ずるドアあり。――窓の外一間の所には隣家相接して建ち在ることゝす。  一 (晩秋の、宵である。男机に凭りて書きものをしてゐる。女が入口より這入つて来る。――室チラケてゐる) 女 今晩は。黙つて来たのよ。男 や、今晩は。女 何か書いてるのね、ぢやお邪魔ぢやな…”…
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  • 大隈 重信:学問の独立と東京専門学校の創立

    2018-10-21公開  入力:フクポー, 校正:門田裕志  (8k/21k)  “〔社会への初陣〕 諸君、今日は東京専門学校にとって最も喜ぶべき卒業式、且つ十五周年の祝典をも同時に挙行するというこの喜ぶべき式場に臨んで、卒業生諸君に向って一言陳ぶることを得るは私の大いに喜ぶところであります。しかしながら既に鳩山〔和夫〕校長の式辞とかあるいは近衛〔篤麿〕公爵の演説とかあって、諸君に向って大抵同じようなことを繰返された様でもあり、且つ随分暑い処に長く時を費やすことは甚だご来臨の諸君に…”…
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  • 小野 梓:祝東京専門学校之開校

    2018-10-21公開  入力:フクポー, 校正:岡村和彦  (8k/34k)  “本校の恩人大隈公、敬賓及び本校諸君、余の不学短識を以て職に本校の議員に列し、その員に加わるは、甚だ僭越の事なり。然りと雖、本校の恩人大隈公は余を許してその末に加わらしめ、校長・議員・幹事・講師諸君も亦、甚だ余を擯斥せざるものの如し。これを以て余は自から吾が不学短識を忘れ、妄りにその員に具われり。唯余や不学短識、本校に補う所なかるべし(否々)。然れども既に隈公の知を蒙り、又諸君の許す所となる余は、唯我…”…
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  • 江戸川 乱歩:おれは二十面相だ

    2018-10-21公開  入力:sogo, 校正:大久保ゆう  (52k/118k)  “消えうせた大学生 五月のある日のこと、麹町の高級アパートにある明智探偵の事務所へ、ひとりの老紳士が、たずねてきました。 ふさふさとした白いかみを、オールバックにして、白い口ひげをはやした、やせがたで、背のたかい、りっぱな老紳士です。 この人は松波文学博士で、あるお金持ちがたてた古代研究所の所長なのですが、西洋の古代のことをしらべている、有名な学者でした。 明智探偵は、ある会で松波博士とあったことがあ…”…
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  • 大隈 重信:早稲田大学の教旨

    2018-10-21公開  入力:フクポー, 校正:門田裕志  (4k/10k)  “閣下、諸君、今日は早稲田大学の三十年の祝典を挙ぐるに当り、見渡す限りこの大なる式場にほとんど溢れる如く参列されたのを感謝するのである。ことに吾人の最も光栄と致すのは、欧米諸国先進なる文明諸国の百有余の大学から祝辞を送られたのを衷心より感謝するのである。ことに著名な欧米の名誉ある大学から参列者を送られたことを早稲田大学の名誉として深く感謝致すのである。私はここに強大なる列国の全権大使全権公使諸閣下にも…”…
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  • 佐藤 春夫:文学の本筋をゆく 坂口安吾選集

    2018-10-20公開  入力:えんどう豆, 校正:夏生ぐみ  (2k/4k)  “坂口安吾の文学はいささか奇矯で反俗的なところはあつても、文学としては少しも病的なものではなく、高邁な精神をひそめたすぐれたものと思ふ。その点、太宰治のどこまでも頽廃的でいぶしのかかつたセンチメンタルなものよりわたくしは坂口の文学の方が文学の本筋だと思つてゐる。 坂口は世俗的などんな先入観念にも煩はされるところなくぢかに人間を見た。そのため人間の心理は彼は可なり深く知るところである。それ故、彼の文学は…”…
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  • 坂口 安吾:復員

    2018-10-20公開  入力:尾形ななか, 校正:きゅうり  (2k/3k)  “四郎は南の島から復員した。帰つてみると、三年も昔に戦死したことになつてゐるのである。彼は片手と片足がなかつた。 家族が彼をとりまいて珍しがつたのも一日だけで翌日からは厄介者にすぎなかつた。知人も一度は珍しがるが二度目からはうるさがつてしまふ。言ひ交した娘があつた。母に尋ねると厄介者が女話とはといふ顔であつた。すでに嫁入して子供もあるのだ。気持の動揺も鎮つてのち、例によつて一度は珍しがつてくれるだらう…”…
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  • 野村 胡堂:銭形平次捕物控 056 地獄から来た男

    2018-10-19公開  入力:特定非営利活動法人はるかぜ, 校正:結城宏  (15k/42k)  “一 「親分、変な野郎が来ましたぜ」 ガラッ八の八五郎は、モモンガアみたいな顔をして見せました。秋の日の昼下がり、平次は若い癖に御用の隙の閑寂な半日を楽しんでいる折柄でした。 「変な野郎てえ物の言いようはあるかい。お客様に違いあるまい」 「そう言えばその通りですが、全く変ですぜ、親分」 「手前よりも変か」 「ヘッ」 ガラッ八は見事に敗北しました。 「なんて方なんだ。取次なら取次らしく、口上を聞いて来…
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  • 葉山 嘉樹:山谿に生くる人々 ――生きる為に――

    2018-10-18公開  入力:林幸雄, 校正:富田晶子  (33k/75k)  “何たる事であろう。 大山は、大山の兄の死を待っていたのだ。という事を十数年後の今になって、ハッキリ知ったのである。 大山は、その二人の子供が死んだ、という知らせを受け取ったのは、木曽川の落合川の発電所で働いている時であった。 そして今、十数年後、木曽駒ヶ岳、恵那山などの山によって距てられる、天龍河畔の鉄道工事場で、今度は叔母からの通信で、兄が朝鮮で死んだ、ということを知ったのである。 その簡単なハガ…”…
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