カテゴリー:青空文庫

  • 小川 未明:アパートで聞いた話

    2018-09-04公開  入力:特定非営利活動法人はるかぜ, 校正:酒井裕二  (5k/25k)  “そのおじさんは、いつも考えこんでいるような、やさしい人でした。少年は、その人のへやへいきました。 「なにか、お話をしてくださいませんか。」と、たのみました。 「どんな話かね。」と、おじさんは、聞きました。 「どんな話でもいいのです。」と、少年がいうと、おじさんは、つぎのような話をしてくれたのです。 二、三日まえの新聞にあったが、街の中央へビルディングができるので、地を深くほりさげていると、動物の骨…
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  • 河野 常吉:コロポックル説の誤謬を論ず(下)

    2018-09-03公開  入力:しだひろし, 校正:フクポー  (8k/17k)  “四 三派のアイヌ皆石器土器を使用せり 北千島アイヌは、其祖先が石器土器を使用せりと語るのみならず、玻璃瓶の破片を以て、石器を製造せんとせし事實も發見せられて、其年代も略ほ推察し得べきを以て、其石器土器の使用に關しては、何人も疑を容れずと雖も、樺太アイヌ、本島アイヌに就ては、議論紛々また決着する所を見ず、然れども是れ亦解決し得べきものなり。 先づ樺太イアヌに就て言はんに、其土器に關しては、北蝦夷圖説(…”…
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  • 河野 常吉:コロポックル説の誤謬を論ず(上)

    2018-09-03公開  入力:しだひろし, 校正:フクポー  (8k/18k)  “一 アイヌに三派あり 本邦人類學上の一大疑問たるコロポックルは、アイヌの口碑に出でたるものなるか、アイヌには蝦夷本島アイヌ、樺太アイヌ、北千島アイヌの三派ありて、此三派はコロポックルに就き語る所一樣ならざるのみならず、其他種々の點に於て本題に少なからざる關係あるを以て、先づ此三派に就きて略述するの必要あり。 本島アイヌは、現今北海道本島及び南千島なる國後、擇捉の二島に住居するものにして、和人に接し其…”…
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  • 折口 信夫:文芸の力 時代の力

    2018-09-03公開  入力:門田裕志, 校正:植松健伍  (4k/7k)  “あゝ言ふ時代別けは、実はおもしろく思はぬのだが、一往は、世間に従うておいてよい。東山だの、桃山だの、と言ふ称へである。 この所謂東山時代・桃山時代、其に似た心持ちを、十分に持つた江戸の元禄時代、此等の時期が、日本の芸術・文学の、大いに興つた時代、と言ふことになつてゐる。此には、異存はない。歴史の上の、著しい事実だからである。だが、此時代が、健全な時代であつたか。此反省は真に、それ/″\の時代に、同じ…”…
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  • 野村 胡堂:銭形平次捕物控 043 和蘭カルタ

    2018-09-02公開  入力:特定非営利活動法人はるかぜ, 校正:結城宏  (16k/46k)  “一 「親分、子さらいが流行るんだってネ」 「聞いたよ、憎いじゃないか」 銭形平次は苦い顔をしました。 「赤ん坊ならどこへ連れて行かれても、それっきり判らなくなるかも知れないが、さらわれるのは大概七つ八つから十二三の子だからどんな場所に売られたにしても、土地の役人なり御用聞なりに、名乗って出られそうなものじゃありませんか。江戸だけでも何人あるか知れないが、一人も行方が判らないとは変だねえ、親分」 ガ…
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  • 真山 青果:茗荷畠

    2018-09-01公開  入力:伊藤時也, 校正:荒木恵一  (20k/56k)  “一 その前の晩、田住生が訪ねて来た。一昨年の暮に亡なつた湯村の弟、六郎の親友である。今度福岡大学へ行く途中とあつて立寄つた。此間の洪水で鉄道が不通ゆゑ神戸までは汽船にすると云ふ。白絣のあらい浴衣に、黒の帯、新しい滝縞の袴をシヤンと穿いて居た。お国風に衛さん衛さんと七つも違ふ湯村の名を呼んで居た。 「六郎さんが丈夫ですと、今年は一緒に大学へ来るんでした。一昨日の晩停車場でお母様が然う云つて泣かれました…”…
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  • 石原 純:ヘルムホルツ

    2018-08-31公開  入力:高瀬竜一, 校正:sogo  (7k/16k)  “エネルギーの原理 皆さんは物理学の上でエネルギー恒存の原理というもののあることを知って居られるでしょう。これはすべての物質現象に通じて成り立つ根本的な原理で、今ではこの原理に背くような事がらは全くないと考えられているのですが、このような大切な原理がどうして見つけ出されて来たかということは、科学の上で実に意味ぶかいことであると云わなくてはなりません。 もちろんエネルギーの原理が見つけ出されるまでには、…”…
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  • 田山 花袋:丘の上の家 抄

    2018-08-30公開  入力:大久保ゆう, 校正:noriko saito  (5k/10k)  “それは十一月の末であつた。東京の近郊によく見る小春日和で、菊などが田舎の垣に美しく咲いてゐた。太田玉茗君と一緒に湖処子君を道玄坂のばれん屋といふ旅舎に訪ねると、生憎不在で、帰りのほどもわからないといふ。『帰らうか』と言つたが、『構ふことはない。國木田君を訪ねて見ようぢやないか。何でもこの近所ださうだ。湖処子君から話してある筈だから、満更知らぬこともあるまい。』かう言つて私は先に立つた。玉茗君も賛成…
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  • 石原 純:ロード・ラザフォード

    2018-08-30公開  入力:高瀬竜一, 校正:sogo  (7k/18k)  “ウェストミンスター寺院 イギリスのロンドンのテームズ河の北側に著名なウェストミンスター寺院というのがあります。これが最初に建てられたのは七世紀頃のことだと云われていますが、現在の伽藍はその後十三世紀頃に改造されたので、更に礼拝堂や高塔などがなお後に建て増されたのでした。ところでこの寺院はイギリスの帝王の戴冠式がいつもそこで行われることや、代々の帝王皇后の墓処にもなっているので、イギリスでは第一に重ん…”…
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  • 江戸川 乱歩:覆面の舞踏者

    2018-08-29公開  入力:金城学院大学 電子書籍制作, 校正:まつもこ  (17k/48k)  “一 私がその不思議なクラブの存在を知ったのは、私の友人の井上次郎によってでありました。井上次郎という男は、世間にはそうした男が間々あるものですが、妙に、いろいろな暗黒面に通じていて、例えば、どこそこの女優なら、どこそこの家へ行けば話がつくとか、オブシーン・ピクチュアを見せる遊廓はどこそこにあるとか、東京に於ける第一流の賭場は、どこそこの外人街にあるとか、その外、私達の好奇心を満足させるような、種…
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