カテゴリー:青空文庫

  • 折口 信夫:菊五郎の科学性

    2018-07-10公開  入力:門田裕志, 校正:酒井和郎  (5k/11k)  “ことしの盂蘭盆には、思ひがけなく、ぎり/\と言ふところで、菊五郎が新仏となつた。こんな事を考へたところで、意味のないことだけれど、舞台の鼻まで踊りこんで来て、かつきりと踏み残すと言つた、鮮やかな彼の芸格に似たものが、こんなところにも現れてゐるやうで、寂しいが、ふつと笑ひに似たものが催して来た。 このかつきりした芸格は、同時代の役者の誰々の上にも見ることの出来なかつたものと言へる。此を、彼の芸が持つ科…”…
    • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • 永井 荷風:森先生の事

    2018-07-09公開  入力:菜夏, 校正:津村田悟  (3k/5k)  “森先生の事に關してわたしは一時にいろ/\の雜誌や新聞から執筆を請はれてゐるが、今の場合何を書いてよいものか殆ど考をまとめる事ができない。もすこし時日を經た後でなければ何も書く氣にはなれない。 森先生が六十年の生涯と其の間に研究された學藝とは宛ら百科辭典の如くに廣大なものである。 わたしの窺ひ知る事を得たのは僅に先生が文藝の一局面に止つてゐる。それさへ仔細に見ればまた頗る複雜なものである。文學者として…”…
    • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • 永井 荷風:鴎外先生

    2018-07-09公開  入力:菜夏, 校正:津村田悟  (3k/5k)  “凡てのいまはしい物の形をあからさまに照す日の光が、次第に薄らいで、色と響と匂のみ浮立つ黄昏の來るのを待つて、先生は「社會」と云ふ窮屈な室を出で、「科學」と云ふ鐵の門を後にして、決して躓いた事のない極めて規則正しい、寛濶な歩調で、獨り靜に藝術の庭を散歩する。藝術の庭は實に廣く、薄暗く、隅々までは能く見えない。いろ/\な花がさいて居るけれど、まだ誰も見た事のない花が、どれだけ暗い影の中に咲いて居るか分ら…”…
    • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • 永井 荷風:鴎外全集を読む

    2018-07-09公開  入力:菜夏, 校正:津村田悟  (2k/4k)  “一文學美術の理論に關して疑問の起つた時にはまづ審美綱領と審美新説の二書を讀む。一批評の文など書く時專門の用語がわからない時には以上二書の外に洋畫手引草を參照してゐます。一小説をかく時、觀察の態度をきめやうと思ふ時は雁と灰燼とを讀返す。既に二十囘くらゐは反復してゐるでせう。一大正五年初て澀江抽齋の傳を讀むまでわたくしは江戸時代の儒家の詩文集にはあまり注意してゐなかつたのであるが、其後は先生の著作中に見…”…
    • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • 渡久山 水鳴:囚人

    2018-07-08公開  入力:坂本真一, 校正:フクポー  (1k/3k)  “囚人来る赤き衣の 囚人来る暴風雨中を 荷へるをふとみむくれば、 己を責む戒具と戒具と。 人皆は恋の囚人、  底本:「沖縄文学全集 第1巻 詩※」国書刊行会 1991(平成3)年6月6日第1刷 底本の親本:「沖縄毎日新聞」 1909(明治42)年5月25日 初出:「沖縄毎日新聞」 1909(明治42)年5月25日 入力:坂本真一 校正:フクポー 2018年6月27日作成 青空文庫作成ファイル: このフ…”…
    • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • 渡久山 水鳴:舟夫

    2018-07-08公開  入力:坂本真一, 校正:フクポー  (1k/3k)  “名護がよひ薪積む舟 午後六時入江に来る 舟の中みだらなる歌 三味線のざれ弾き聞ゆ おもしろき舟夫のなりはひ  底本:「沖縄文学全集 第1巻 詩※」国書刊行会 1991(平成3)年6月6日第1刷 底本の親本:「沖縄毎日新聞」 1909(明治42)年5月4日 初出:「沖縄毎日新聞」 1909(明治42)年5月4日 入力:坂本真一 校正:フクポー 2018年6月27日作成 青空文庫作成ファイル: このファ…”…
    • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • 小川 未明:空にわく金色の雲

    2018-07-07公開  入力:特定非営利活動法人はるかぜ, 校正:酒井裕二  (8k/53k)  “道であった、顔見知りの人は、みすぼらしい正吉の母にむかって、 「よく、女手ひとつで、むすこさんを、これまでになさった。」と、いって、うしろについてくる正吉を見ながら、正吉の母をほめるのでした。 しかし、心から感心するように見せても、じつは母子のしがない暮らしを、あわれむというふうが見えるので、正吉は子供ながら、それを感じていましたが、母は、そういって、なぐさめられると、気が弱くなっているせいか、す…
    • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • 小川 未明:へちまの水

    2018-07-07公開  入力:特定非営利活動法人はるかぜ, 校正:酒井裕二  (4k/25k)  “山へ雪がくるようになると、ひよどりが裏の高いかしの木に鳴くのであります。正雄は、縁側にすわって、切ってきた青竹に小さな穴をあけていました。 「清ちゃんのより、よく鳴る笛を造ってみせるぞ。そして、二人で林へいって、やまがらを呼ぶんだ。」 彼は、独り言をしながら、注意深く、細い竹に小刀で穴をあけていたのです。しかし、若竹で柔らかくて、うまく思うようにいかなかったのです。庭のすみに、寒竹が生えていました…
    • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • ■そらもよう:これからの20年に向けて■

    2018-07-07 今年も7月7日の誕生日を迎え、青空文庫は21周年を迎えました。こうして無事続けられていることを何より嬉しく思います。ところが、つい先日、衆参両院でTPP11の関連法が成立し、著作権保護期間の20年延長が現実のものとして迫ってきています。先に国内手続きを終えたメキシコも加えて、このまま11月初頭までに参加国の半数である6ヶ国の法的な準備が整えば、予想よりも早く来年年始からパブリックドメイン・デイが来な……
    • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • 北大路 魯山人:織部という陶器

    2018-07-06公開  入力:門田裕志, 校正:木下聡  (3k/5k)  “私の独断によると、織部という陶器は、古田織部という茶人の意匠及び発明に始まるものではない。 古田織部より以前に、織部という陶器は産れておったのだ。もっとも、その当時は織部という名称はなかったろうから、なんとか外の名を言っていたのであろう。今日織部と言いならすところの陶器は、利休時代に有名であった古田織部が、やかましく好んだところから、遂に織部という名を成したのであろう。 織部という陶器を説明すると、…”…
    • このエントリーをはてなブックマークに追加
follow us in feedly

ページ上部へ戻る