カテゴリー:青空文庫

  • 山本 周五郎:日本婦道記 笄堀

    2019-07-21公開  入力:特定非営利活動法人はるかぜ, 校正:酒井和郎  (13k/31k)  “一 さかまき靱負之助は息をはずませていた、顔には血のけがなかった、おそらくは櫛をいれるいとまもなかったのであろう、乱れかかる鬢の白毛は燭台の光をうけて、銀色にきらきらとふるえていた。――ああ靱負はうろたえている。真名女はそう思った。そしてそう思ったときに、自分のやくめがどんなに重大であるかということを悟った。 「この事を誰が知っていますか」 「まだわたくしだけでござります」 「使の者はどうしまし…
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  • 田山 花袋/田山 録弥:波の音

    2019-07-20公開  入力:tatsuki, 校正:津村田悟  (6k/16k)  “一 『何うもあれは変だね?』かう大学生の小畠はそこに入つて来た旅舎の中年の女中に言つた。それは広い海に面した室で、長い縁側と、スロオプになつてゐる広場とを隔てゝ、向うに波の白く凄じく岩に当つて砕けてゐるのを目にするやうなところであつた。 『え?』 頷で客の指す方に眼を遣りながら女中は訊いた。 『あの女さ?』 『あ、あの岩の上の? 本当ね? 何うかしてるのね?』女中もぢつと其方の方を見た。 岸に近く、…”…
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  • 田山 花袋/田山 録弥:現実

    2019-07-20公開  入力:特定非営利活動法人はるかぜ, 校正:きゅうり  (1k/3k)  “お互に粗い感情や粗い理窟で喧嘩したり議論したりしても仕方がない。現實は複雜で、細微で、機能的で、いつも深い心理がついて廻つて居る。  底本:「定本 花袋全集 第十五巻」臨川書店 1994(平成6)年6月10日復刻版発行 底本の親本:「定本 花袋全集 第十五巻」内外書籍 1937(昭和12)年1月18日初版発行 入力:特定非営利活動法人はるかぜ 校正:きゅうり 2019年6月28日作成 青空文庫作成フ…
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  • 梅崎 春生:腹のへった話

    2019-07-19公開  入力:砂場清隆, 校正:芝裕久  (3k/6k)  “申すまでもなく、食物をうまく食うには、腹をすかして食うのが一番である。満腹時には何を食べてもうまくない。 今私の記憶のなかで、あんなにうまい弁当を食ったことがない、という弁当の話を書こうと思う。弁当と言っても、重箱入りの上等弁当でなく、ごくお粗末な田舎駅の汽車弁当である。 中学校二年の夏休み、私は台湾に遊びに行った。花蓮港に私の伯父がいて、私を招いてくれたのである。うまい汽車弁当とは、その帰路の話だ…”…
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  • 田辺 竜子:うもれ木 01 序

    2019-07-18公開  入力:万波通彦, 校正:Juki  (2k/6k)  “一葉女史はおのれと同じ園生にありて萩の舍の露におほし立られし下葉なり萩の舍中島の師は常にいにしへぶりのしなたかきを教さとし給へれど性來のすき心によの耳ちかく俗に今樣の情態をうつさばやの心あつく去年より武藏野に名はあれどにげ水のそこはかとなくかくろひてさのみしる人もなかりしを、今度一部の文として梓にのぼせ、公の評をも乞て、猶此後もこれに盡さんの料にせまほしとておのれに其よしはし書してよとこはれぬかゝる…”…
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  • 中原 中也:いちじくの葉

    2019-07-17公開  入力:ゆうき, 校正:きりんの手紙  (1k/3k)  “夏の午前よ、いちじくの葉よ、 葉は、乾いてゐる、ねむげな色をして 風が吹くと揺れてゐる、 よわい枝をもつてゐる…… 僕は睡らうか…… 電線は空を走る その電線からのやうに遠く蝉は鳴いてゐる 葉は乾いてゐる、 風が吹いてくると揺れてゐる 葉は葉で揺れ、枝としても揺れてゐる 僕は睡らうか…… 空はしづかに音く、 陽は雲の中に這入つてゐる、 電線は打つづいてゐる 蝉の声は遠くでしてゐる 懐しきものみな去る…”…
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  • 中原 中也:自滅

    2019-07-17公開  入力:村松洋一, 校正:きゅうり  (2k/3k)  “親の手紙が泡吹いた 恋は空みた肩揺つた 俺は灰色のステッキを呑んだ 足 足 足 足 足 足 足 万年筆の徒歩旅行 電信棒よ御辞儀しろ お腹の皮がカシヤカシヤする 胯の下から右手みた 一切合切みんな下駄 フイゴよフイゴよ口をきけ 土橋の上で胸打つた ヒネモノだからおまけ致します  底本:「新編中原中也全集 第二巻 詩※」角川書店 2001(平成13)年4月30日初版発行 ※底本のテキストは、著者自筆稿…”…
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  • 中原 中也:(成程)

    2019-07-17公開  入力:村松洋一, 校正:hitsuji  (2k/3k)  “成程 共に発見することが楽しみなのか さうか、それでは俺に恋は出来ない お前を知る前既に お前の今後発見することを発見しつくしてゐたから 一つの菓子を 二人とも好んではゐない 一人は大好きで一人が嫌ひです 菓子と二人との三角関係 菓子は嫌ひな一人からヤカレて仕合せ者だ 一番平凡なバランスの要求だのに 何故そのバランスが来ないのか 髪油の香が尚胸に残つてゐる 煙草の香が胸に残つてゐるかしら 蛙が鳴いて…”…
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  • ホワイト フレッド・M:謎の四つ指

    2019-07-16公開  入力:奥増夫, 翻訳:奥 増夫  (3413k/291k)  “登場人物 備考 マーク・フェンウィック 億万長者 ヴィラ・フェンウィック 娘、実際は姪 ジム・ガードン 元陸上競技選手 ジェラルド・ベナ なぞの冒険家 チャールズ・レフェニュウ ベイツ ジョージ・レフェニュウ フランス人 ヴァンフォート オランダ人 ベス 白衣の女性 チャールズ 同名が二人いる ジェイムズ・テイラ 目撃者 ジェイムズ・デイリ ならず者 イーガン 刑事 グレディ 刑事 フィリックス・ザ…”…
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  • 野村 胡堂:銭形平次捕物控 105 刑場の花嫁

    2019-07-15公開  入力:特定非営利活動法人はるかぜ, 校正:noriko saito  (16k/48k)  “一 「八、今のはなんだい」 「へエ――」 銭形の平次は、後ろから跟いて来る、八五郎のガラッ八をふり返りました。正月六日の昼少し前、永代橋の上はひっきりなしに、遅れた礼者と、お詣りと、俗用の人が通ります。 「人様が見て笑っているぜ、でっかい溜息なんかしやがって」 「へエ――相済みません」 八五郎はヒョイと頭を下げました。 「お辞儀しなくたっていいやな、――腹が減ったら、減ったという…
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